コロンビアでベネズエラ移民が急増中

(コロンビア、ベネズエラ)

ボゴタ発

2019年01月29日

コロンビア入国管理局の資料によると、2018年9月末時点での国内におけるベネズエラ人居住者数は103万2,016人で、2015年から急激に増加している(表1参照)。全体の23%がボゴタ首都区にいるほか、ベネズエラと国境を接するノルテ・デ・サンタンデール県、ラ・グアヒラ県などに多く居住している。首都ボゴタでもここ1~2年、ベネズエラ人が急増していることが実感されている。「床屋に行ったら、理容師がみんなベネズエラ人だった」「ベネズエラ人出身だという若者が、レストランで歌を歌ってお金を集めていた」といった声がよく聞かれる。また、「私はベネズエラ人。助けを必要としている」という看板を掲げ、路上に立つベネズエラ人が頻繁に現れるようになった。

表1 ベネズエラ人の居住者数推移

移民への見方はさまざま、排斥運動はみられず

一方で、麻薬取引や窃盗といった、ベネズエラ人による犯罪の増加も指摘されている。刑務所収容所局によると、2018年の外国人による拘留者の約6割がベネズエラ人で、前年比79.8%増、2014年比で3.7倍となった(表2参照)。テレビなどの報道でも、ベネズエラ人による犯罪のニュースが取り上げられるようになった。他方、新たな労働力としての見方もされている。アリシア・アランゴ労働相によると、3,402社のコロンビア企業がベネズエラ人の雇用に関心を示している。ベネズエラ人に対する見方はさまざまだが、現状では排斥運動のような大規模な動きは生じていない。

表2 コロンビアにおける国籍別拘留者数の推移

(豊田哲也)

(コロンビア、ベネズエラ)

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