華為問題で外交部がカナダ大使に強く抗議

(中国)

広州発

2018年12月11日

外交部は12月8日、カナダのジョン・マッカラム駐中国大使を外交部に呼び、カナダでの華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)の逮捕(2018年12月7日記事参照)について強く抗議外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

カナダ側に全ての責任

外交部の楽玉成副部長は「カナダは米国の要求により、バンクーバーで(航空機)を乗り換えようとした中国国民を勾留した。中国国民の合法的で正当な権利に対する重大な侵害だ。法を顧みず、理にかなわず、受け入れがたい、極めて卑劣なものだ。中国はカナダが勾留された人物を直ちに釈放し、当事者の合法的で正当な権利を保障することを強く勧める。さもなければ重大な結果を招き、カナダ側が全ての責任を負うことになる」と協調した。

主要メディアもカナダを非難

中国の主要メディアも評論を発表した。12月9日付の「人民日報」は「中国国民の合法的かつ正当な権利の侵犯は許されない」と題し、「カナダは誤りを正し、直ちに中国国民の合法的で正当な権利に対する侵犯を停止し、中国国民に正当な対応をしなければ、重い代償を避けることはできない」と主張した。また、判決がまだ出ていないのに孟副会長が手錠や足かせをかけられたことを問題視し「いわれなく重罪人扱いすることは基本的人権を粗暴に踏みにじり、人格や尊厳を侮辱するもの」と非難した。

12月8日付の「環球時報」は「カナダの孟晩舟に対する粗暴な扱いは重大な人権侵害」と題し、孟副会長への待遇を批判するとともに、「仮に(ファーウェイが)米国のイラン禁輸措置に違反していたとしても、大部分は罰金などの手段で処理されている」とし、今回の処置の不当さを訴えた。

同日付の「新華社」は「中国国民の合法的権利の侵犯は許されない」とし、孟副会長はカナダの法律に違反しておらず、「属地主義、属人主義のいずれの原則に照らしても、カナダに口を出す権利はない」と批判した。また、孟副会長が高血圧や不眠症などを患っている上に5月に頸部の手術をしたにもかかわらず、カナダは人道的配慮をしておらず、今回の措置は「危険な先例となった」としている。

(河野円洋)

(中国)

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