首相代行勢力が議会選で大勝、政権基盤を大幅に強化

(アルメニア)

欧州ロシアCIS課

2018年12月10日

アルメニアで12月9日に議会選挙が行われ、現首相代行のニコル・パシニャン氏を支持する政治ブロックが大勝した。

中央選挙管理委員会は選挙結果(速報)を発表、パシニャン氏を支持する政治ブロック「私の一歩(マイ・ステップ)」が70.43%を獲得し、議会過半数を獲得する見通しとなった。一方、前首相のセルジ・サルグシャン氏が代表を務め、議会第1党だった「アルメニア共和党」の得票率は4.7%で惨敗。法律で定められた国会の政党要件(得票率5%以上)に達しない状況となった。

パシニャン氏は選挙結果を受けて「全能の国民を誇りに思う」と勝利宣言を行った。同氏は2018年5月に発生した大規模な民衆運動を受けて、野党から首相に就任(2018年5月9日記事参照)。しかし、国会多数派は依然としてアルメニア共和党が占めていたことから、10月には任期終了前の臨時の議会選挙を求め、自らは首相を辞任した(首相代行として業務は継続)。11月には憲法の規定によりアルメン・サルキシャン大統領が議会を解散し、選挙戦に突入した。首相代行支持勢力が議会の過半数を占める結果となることから、パシニャン氏は議会の承認を受けて首相に正式に復帰する。自身の意向を政策により反映させやすくなるとみられる。

(高橋淳)

(アルメニア)

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