汚職対策改革案の国民投票、4件とも大統領支持が大勢

(ペルー)

リマ発

2018年12月12日

ビスカラ大統領が自ら提案した4つの司法・政治改革案に関し、ペルーで12月9日に国民投票が実施された。開票率95.9%(12月11日)時点で、全ての改革案が大統領の意向どおり支持を得る結果となった。

4つの改革案の中で、最も注目されたのが国会の二院制への復帰だ(1992年にフジモリ大統領が起こした自己クーデターによって一院制化)。当初の改革案では、議員の資産公開と信任決議否決の際の大統領による内閣メンバーの任命権が付与されていたが、国会承認後、前者は削除され、後者の任命権も剥奪されたため、ビスカラ大統領は同改革案については反対票を投じるように国民に呼び掛けていた。このため、同改革案は反対90.6%、賛成9.4%により否決される見通しになった。

その他の3つの改革案については、裁判官および検察官を任命する国家司法委員会メンバーの選出改革案が賛成86.6%、反対13.4%。政治献金の規制改革案が賛成85.8%、反対14.2%。国会議員の連続再選を禁ずる改革案が賛成85.8%、反対14.1%で、いずれも承認が確定的だ。

国民による信任を得た改革によって、失墜したペルー政治の信頼回復の期待が寄せられている。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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