第3四半期の貿易収支は赤字、鉱産物などの輸出減る

(チリ)

サンティアゴ発

2018年12月04日

チリ中央銀行の発表(11月23日)によると、2018年第3四半期(7~9月)の貿易(通関ベース)は、輸出(FOB)が前年同期比0.4%増の178億4,700万ドル、輸入(CIF)が12.3%増の188億9,900万ドルとなった。輸入が輸出を上回り、貿易収支は10億5,200万ドルの赤字となった。

輸出を品目別にみると、鉱産物は4.8%減の95億3,700万ドルで、輸出全体の約5割を占める(添付資料の表1参照)。主要品目の銅は生産減により、銅カソード輸出が12.7%減となるなど銅全体では6.9%減だった。銅の輸出はアジア向けが77.4%を占めており、国別では中国(構成比53.4%)、日本(12.3%)、米国(6.8%)と続く。

農林水産物は6.6%減で主な輸出先である米国(前年同期比5.2%減)、オランダ(13.9%減)、ドイツ(8.0%減)向けがいずれも減少した。主に果物輸出の減少が響き、アボカドは前年同期比166.7%減だった。なお、これは輸出時期の遅れが影響している。

工業品は、主要品目のサーモン、林産品・木製家具、セルロース・紙・ほかが好調だった一方で、ボトルワインは5.1%減の4億3,200万ドルとなった。セルロース・紙・ほかの主な輸出先は中国(構成比50.2%)、オランダ(6.5%)、韓国(5.8%)の順となっている。

輸入を品目別にみると、中間財が前年同期比15.4%増と好調で(添付資料の表2参照)、主に石油やディーゼルなどのエネルギー関連品目が国内の投資回復に伴って約3割増となった。消費財は、携帯電話や履物が減少したものの、自動車が約2割増と好調で全体では7.7%増だった。資本財は、12.1%増で鉱業・建設用機械が45.0%の大幅増となった。

輸出額を国・地域別にみると、中国(構成比33.0%)、米国(13.0%)、日本(9.6%)の順となっている(添付資料の表3参照)。米国向けは銅カソードが減少し7.2%減だった。南米南部共同市場(メルコスール)向けはアルゼンチンへの天然ガスやアボカド、ブラジルへの銅カソードや銅鉱石が減少した。一方、日本と中国向けの銅鉱は好調で、それぞれ23.5%、10.5%増だった。

輸入額を国・地域別にみると中国(構成比24.2%)、米国(18.1%)、ブラジル(9.1%)の順で、日本(4.3%)は5位の8億700万ドルだった。主に自動車、歴青炭、ブルドーザーが増加した。

(岡戸美澪)

(チリ)

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