欧州中銀、政策金利を据え置き
(EU、ユーロ圏)
デュッセルドルフ発
2018年12月14日
欧州中央銀行(ECB)は12月13日にフランクフルトで開催された政策理事会後の記者会見で、政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)を0.00%、限界貸付ファシリティー金利〔オーバーナイト貸し出し(翌日返済)の金利〕を0.25%、預金ファシリティー金利〔オーバーナイト預け入れ(翌日満期)の金利〕をマイナス0.40%にそれぞれ据え置くと発表した。据え置きの期間については、従前どおり「少なくとも2019年の夏期まで」、かつ、ECBが掲げる物価上昇率の目標値「2%未満でかつそれに近い水準」を持続的に達成するまでに必要な期間とした。
ユーロシステムによる債券・国債の購入拡大プログラム(APP:expanded asset purchase programme)は年内で終了する。一方、APPの償還再投資については、今後、指針の提示(フォーワードガイダンス)による市場の予見可能性を高めるとともに、主要政策金利の引き上げ後も長期間にわたり必要な限り再投資するとの方針を示した。
記者会見と併せて発表されたECBスタッフマクロ経済予測では、2018年のユーロ圏の実質GDP成長率を前回(2018年9月)予測値の2.0%から1.9%に、2019年を前回予測値の1.8%から1.7%に、それぞれ0.1ポイント下方修正した。一方、2020年については前回予測値と同じ1.7%としたほか、2021年の成長率については1.5%とした(表参照)。
マリオ・ドラギECB総裁は記者会見で今後のリスクについて、前回のとおり「おおむね均衡している」とした一方、「地政学的な要因や保護主義の台頭、脆弱(ぜいじゃく)な新興国マーケットおよび金融市場の不安定化などの要素により、リスクは増加傾向にある」と指摘し、警戒感を示している。
(ベアナデット・マイヤー、森悠介)
(EU、ユーロ圏)
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