TPP11発効関連報道はわずか、手続きも年越しの見通し

(チリ)

サンティアゴ発

2018年12月14日

環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)は12月30日に発効となる。2018年3月8日の署名式はチリで行われたため、国内でも大々的に報じられたが、発効に関しては現時点で目立った報道はなく、大手紙「エル・メルクリオ」が11月1日に事実のみを伝える小さな記事を出した程度だった。チリが既に署名国全てと自由貿易協定(FTA)を発効させていること、チリ国内で批准手続きがまだ完了していないことなどが、報道が少ない要因として挙げられる。

また、発効に関する政府コメント、有識者コメントなども特に発表されていない。9月に農業政策調査庁(ODEPA)のホセ・ミゲル・ロドリゲス国際局長が「TPP11の発効によって特に日本、マレーシア、ベトナム向けに、これまで対象外だった農産物の特恵関税適用により輸出増が期待される」とコメントしているのが目立つくらいだ。なお、国内では同局長のように、TPP11発効がさらなる市場アクセスにつながるとのポジティブな論調が一般的だ。

国内の批准手続きについて、当初は2018年内に完了するものとみられていたが、11月6日にようやく下院に提出され、現在(12月13日現在)もまだ審議中という状況にある。手続き完了は早くて年明け1月となりそうだ。

(中山泰弘)

(チリ)

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