広西チワン族自治区の1~9月GRP成長率は7.0%

(中国)

中国北アジア課

2018年11月09日

広西チワン族自治区統計局の10月24日の発表によると、2018年1~9月の域内総生産(GRP)の実質成長率は7.0%だった。上半期(2018年8月3日記事参照)と比較して0.8ポイント上昇し、産業別の成長率は第一次産業が5.0%、第二次産業が5.0%、第三次産業が9.6%だった。

図 広西チワン族自治区のGRP成長率の推移

サービス業が成長のスピードを持続

同統計局は、サービス業の成長は比較的速く、1~9月もそのスピードが維持されたとした。サービス業の中では新興サービス業が速い成長を続けており、ソフトウエアおよび情報技術サービス業の営業収入は前年同期比24.2%増になった。また、現代サービス業も伸びており、リース業が67.0%増、商務サービス業が26.2%増、娯楽業が91.1%増だった。

社会消費品小売総額は9.7%増の5,969億6,300万元(約9兆5,514億円、1元=約16円)。うち飲食業収入は10.3%増の607億800万元、商品小売額は9.7%増の5,362億5,500万元だった。

住民1人当たりの可処分所得は6.8%増の1万5,815元だった。また、消費者物価指数(CPI)は2.2%の上昇で、同統計局は、CPIは緩やかに上昇しているとした。

ASEANとの貿易額は2桁増、米国は2桁減

貿易総額は5.4%増の2,980億7,000万元で、輸出額が9.4%増の1,475億4,300万元、輸入額が1.8%増の1,505億2,700万元だった。うち国境小額貿易(注1)〔辺民互市貿易(注2)を除く〕の総額は24.4%増の632億8,900万元となった。国・地域別にみると、ASEANとの貿易額は10.4%増の1,511億9,200万元、米国との貿易額は12.5%減の173億5,200万元となった。

固定資産投資(農家を含まず)は前年同期比11.2%増だった。うち、民間投資は13.7%増と全体の伸びを上回り、不動産開発投資も13.5%増だった。

同統計局は1~9月の経済状況について、全体的に安定した成長の中にあり、発展の質が明らかに向上しているとした。その一方で、経済情勢は依然複雑で、「穏中向好(安定の中、向上あり)」に向けた成長の基礎をより固める必要があり、成長の質と効率向上の任務は重いとした。

(注1)中国政府の批准を受けた、陸上国境線沿いの対外開放された県、市にある国境小額貿易経営権を持つ企業が、国の指定した陸上国境港を通じて、隣国の企業あるいは貿易機関と貿易を行うこと。

(注2)国境地域の住民が国境線周辺20キロ以内の政府が指定した開放地域や市場で、規定された金額や数量を超えない範囲で商品の交易を行うこと。

(楢橋広基)

(中国)

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