10月の輸出額は前年同月比17.9%増、輸入額は17.6%増

(インド)

チェンナイ発

2018年11月30日

インド商工省は11月15日、2018年10月の貿易統計(速報値)を発表した。輸出額は前年同月比17.9%増の269億8,000万ドル、輸入額は17.6%増の441億1,000万ドルとなった。9月に前年同月比で減少した輸出額は、プラス成長に転じた。また、貿易収支は171億3,000万ドルの赤字で、前年同月の赤字額(146億1,000万ドル)より17.2%拡大した。国際的な原油価格上昇などを背景に、輸入額が増加したことが主な要因とみられる。

輸出額の上位2品目である、石油製品、宝石・宝飾品以外の品目の輸出額は189億4,000万ドルで、前年同月の165億4,000万ドルより14.5%増加した。主な輸出品目では、エンジニアリング製品が8.9%増、有機・無機化学品が34.0%増、医薬品・精製化学品が12.8%増、綿糸・布・手織品などが10.2%増、合成樹脂・プラスチック材が31.9%増、衣類が36.3%増と大きな伸びがみられた。

原油・石油製品の輸入額は前年同月比52.6%増

最大の輸入品目である原油・石油製品の輸入額は142億1,000万ドルで、前年同月の93億1,000万ドルと比べ52.6%増加した。商工省は、原油の国際価格が前年同月比で39.7%上昇した影響とみている。原油・石油製品以外の輸入額は299億ドルで、前年同月の281億9,000万ドルより6.1%増加した。主な輸入品目では、電子機器が31.9%増、機械・器具が12.5%増、石炭が12.4%増、有機・無機化学品が26.6%増となった。

足元では原油価格が大幅に下落

商工省・通商情報統計局によると、インドでは2017年に輸入額の22.8%を原油・石油製品が占めており、今後の原油価格の動向が注目される。主要指標の1つとされるブレント原油価格は2018年10月3日時点で1バレル86ドルに達していたが、11月14日には1バレル65ドルとなり、40日間で20ドル余りの大幅な下落となった。米国のトランプ政権は11月5日、イランに対して経済制裁を再開したが、各国に求めていたイラン産原油の禁輸措置については、インドを含む8カ国・地域に対し180日間の期限付きで適用除外を認めた。これを受け、原油供給不足の懸念が後退し、価格下落の一因になったとみられている。

(榎堀秀耶)

(インド)

ビジネス短信 f73b7ac6a07c6f2c