10月のインフレ率は5.4%、年間予想は約50%

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2018年11月21日

国家統計センサス局(INDEC)は11月15日、10月の消費者物価指数上昇率(インフレ率)が前月比5.4%、前年同月比45.9%になったと発表した。前月比は依然として高水準となったものの、2018年に入って最も高かった9月(6.5%)を1.1ポイント下回った。1~10月期の累積インフレ率は39.5%に達した。

インフレ率を産業別に前月比でみると、9月末から10月中旬にかけて、ガソリン価格や家庭向けガス料金の引き上げ、バス運賃の最低価格の値上げが発表された影響で、「住宅・光熱・その他燃料」(8.8%)と「交通」(7.6%)の上昇が目立つ(表参照)。前年同月比でみても「住宅・光熱・その他燃料」(65.2%)と「交通」(68.7%)は突出しており、加えて「食品・飲料(酒類を除く)」(46.4%)も高い上昇率となった。

表 2018年10月の産業別インフレ率

10月は9月に続き高いインフレ率となったが、新金融政策における為替バンド制の導入以降、為替相場は一定の落ち着きを見せており、物価の上昇は抑えられる兆しが見られる(2018年11月12日記事参照)。現地紙「クラリン」(11月15日)は、11月からインフレ率は下がる見込みで、11月、12月は前月比2.5~3%で推移し、2018年のインフレ率見通しは47~48%になるだろうと伝えている。

(高橋栞里)

(アルゼンチン)

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