1~10月の自動車生産は辛うじて前年同期比プラス

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2018年11月12日

アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)によると、2018年1~10月の自動車生産台数(大型トラック・バスを除く)が前年同期比3.7%増の40万9,366台だった。一方、月別にみると、9月に続いて10月も前年同月比11.8%減(3万8,659台)と2桁の落ち込みを記録した。

他方、輸出台数(1~10月、大型トラック・バスを除く)では、前年同期比27.9%増の22万365台と好調を維持しており、特にブラジル向けは15万2,989台と、輸出台数全体の69.4%を占めた。

生産台数と輸出台数の割合は、2017年は2倍を上回っていたが、アルゼンチン経済が変調した2018年下半期以降は軒並み2倍を切っており、輸出に依存するかたちとなっている。輸出台数の伸びが鈍化した月は生産台数にも影響している。

生産が累計では辛うじてプラスを維持する中、国内販売は苦戦を続けている。アルゼンチン自動車販売代理店協会(ACARA)によると、1~10月の国内自動車販売台数(新車登録ベース、大型トラック・バスを含む)は73万4,767台で、前年同期比5.8%のマイナスに落ち込み、10月は前年同月比で38.5%減(4万8,330台)と大幅な減少となっている。販売台数のシェアが10%を超える大手6社では、フォルクスワーゲンが10万9,053台(前年同期比12.9%減)、GMが9万2,967台(11.6%減)、フォードが8万8,893台(10.9%減)、フィアットが7万6,554台(4.9%減)と軒並み苦戦する一方で、トヨタは8万3,561台(5.6%増)、ルノーは10万3,838台(3.4%増)となっている。政府による高金利政策の影響が自動車販売にも影響していることが確認できる。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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