第3四半期のGDP成長率は2.8%と減速、鉱業がマイナスに

(チリ)

サンティアゴ発

2018年11月29日

チリ中央銀行は11月19日、2018年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率が前年同期比2.8%となったと発表した。第2四半期は5.4%だった。

需要項目別に成長率をみると、内需は4.6%と好調を維持した(表1参照)。内訳をみると、サービスや耐久財への支出の伸びを背景に民間消費が3.8%だったほか、総固定資本形成が7.1%となっているのが目立った。総固定資本形成の好調の主因は設備投資の回復だ。貿易は輸入が8.4%、輸出が1.7%となった。輸入については金属製品、化学製品、機械、燃料など、輸出については食品や果物が寄与した。

表1 需要項目別実質GDP成長率〔前年(同期)比〕

経済活動別にみると、農林業、個人サービス、建設が堅調で、前年同期比の成長率はいずれも4.0%以上だった(表2参照)。一方、鉱業は2.7%減で、第3四半期で唯一減少した産業分野となった。2017年末から1ポンド当たり3.0ドル以上で推移していた銅価格が下落に転じたことや、カソード(陰極銅)と銅精鉱の生産減がその要因として挙げられる。農林業は、鳥や豚などの家畜の生産増に加え、ビートの栽培面積増加による収穫増、トマトや種子類の生産増が寄与した。商業は、卸売業での機械設備の販売増、自動車販売台数の好調、小売業での販売増が寄与し、成長率が前年同期比3.2%だった。企業サービスは、建築やエンジニアリング関連が堅調で、個人サービスは公的部門、民間部門ともに健康関連での増加がみられた。

表2 経済活動別実質GDP成長率(前年同期比)

なお、エコノミストらによる第4四半期のGDP成長率予想の平均は、前年同期比3.2%となっている。

(岡戸美澪)

(チリ)

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