第3四半期のGDP成長率は2.7%、全部門でプラス成長

(コロンビア)

ボゴタ発

2018年11月30日

国家統計庁(DANE)は11月15日、コロンビアの2018年第3四半期の実質GDP成長率を前年同期比2.7%と発表した。前期より0.1ポイント低下したが、前年同期に比べると0.9ポイント上昇し2.7%のプラス成長となった(表参照)。

表 産業分野別実質GDP成長率(前年同期比)の推移

産業分野別にみると、12分野全てでプラス成長となった。中でも、行政・防衛(4.5%)、情報・通信(3.7%)、科学・技術(3.6%)、電力・ガス・水道(3.0%)、製造業(2.9%)の5分野の成長率は、全体平均を上回った。製造業では、金属製品・機械(7.3%)や家具・マットレス(3.7%)が特に好調だった。

マイナスの成長率が続いていた建設(1.8%)と鉱業(1.0%)は、いずれもプラスに転じた。建設は、汚職などの防止に関する法律(Ley de Garantias)により、大統領選挙前4カ月間の公共調達が禁止されており、大規模インフラ事業が先送りされた影響を受けていたが、禁止期間を終えて回復した。また、鉱業は12四半期ぶりにプラスに転じた。内訳をみると、2017年以降マイナス20%超を記録して成長の足かせとなっていた金属鉱物採掘の成長率(14.3%)が大幅なプラスとなった。

農林水産と金融・保険は大きく減速

一方、近年好調だった農林水産(成長率:0.1%)や金融・保険(1.7%)は大きく減速した。農林水産では、林業・伐採(マイナス5.6%)が前年同期より10.6ポイント低下し、農作物(マイナス1.1%)も7.1ポイントの下落となっている。農作物の内訳をみると、果物(10.7%)は好調だったが、国際価格が低迷しているコーヒー(マイナス15.0%)が悪化要因となった。

OECDはコロンビアの経済見通しを引き上げ

OECDは11月21日に発表した世界経済見通しで、コロンビアの2018年通年の成長率を2.8%、2019年を3.3%とした。前回(5月)の見通しから、それぞれ0.1ポイントずつ引き上げた。インフラ整備、法人税の引き下げ、石油価格の上昇が投資を呼び込み、成長回復に寄与するとの見解を示している。また、ポストコンフリクト(紛争後の取り組み)により、観光分野で大きな商機が生まれると見通している。

OECDは5月に、コロンビアを、メキシコとチリに次ぐ中南米の3カ国目として、加盟を承認した。コロンビア国会は11月14日に加盟を批准しており、大統領の承認を経て正式に加盟が実現することになる。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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