アモイ市の1~9月GRPは7.6%成長、投資は堅調

(中国)

広州発

2018年11月19日

アモイ市統計局の発表によると、2018年1~9月のアモイ市の域内総生産(GRP)の成長率は前年同期比7.6%、総額は3,297億7,500万元(5兆2,764億円、1元=約16円)だった。成長率は前年同期より0.1ポイント上昇した(図参照)。

産業別の成長率は第一次産業が0.5%、第二次産業が8.1%、第三次産業が7.2%だった(表参照)。

図 アモイ市のGRP成長率〔前年(同期)比〕

消費や貿易は大きく鈍化

項目別では、固定資産投資は前年同期比11.7%増(伸び率は前年同期より1.6ポイント上昇)となった。うち、不動産開発投資は3.0%増(6.0ポイント低下)だった。インフラ投資も16.4%増(6.2ポイント低下)といずれも前年同期より伸びは減速した。一方で、プロジェクト投資は19.0%増となり、固定資産投資全体の伸び率を10.3ポイント引き上げた。軌道交通1~4号線、馬銮湾エリアの環境修復プロジェクトなど10億元を超えるプロジェクトが実施されたことが要因とされる。

表 アモイ市の2018年1~9月の主要経済指標

社会消費品小売総額は前年同期比7.6%増(5.4ポイント低下)の1,146億9,300万元だった。うち卸・小売額は6.9%増の1,021億4,300万元、宿泊・飲食業収入は13.8%増の125億4,900万元となった。分野別では、自動車関連商品が0.8%増(3.8ポイント低下)の223億6,300万元だった。自動車関連消費が落ち込んだのは、(1)ナンバープレート取得にアモイ市での居住期間半年以上を条件とする制限策の影響、(2)市内の自動車保有量が飽和状態に近づいていることが挙げられている。

貿易額は前年同期比3.8%増(11.3ポイント低下)の4,479億9,500万元、うち輸出が1.4%増(3.0ポイント低下)の2,428億8,200万元、輸入が6.7%増(25.2ポイント低下)の2,051億1,300万元だった。

移動通信電話は4.3倍の大幅増に

一定規模以上(注1)の工業企業の付加価値増加額は8.8%増(0.7ポイント上昇)の1,191億5,900万元だった。うち、台湾企業が3.2%増の374億200万元で、全体の31.4%を占めた。業種別では、医薬品製造業が25.5%増、計測・自動制御機器製造業が18.1%増と高い伸びを示した。ハイテク産業が10.0%増の813億5,200万元と、全体の68.3%を占めた。

製品別では、移動通信電話が4.3倍、新エネルギー車が80.6%増、マイクロコンピュータが28.7%増、ルーターが27.9%増となった。

アモイ市政府は1~9月までの経済状況について、全体として「安定し、進捗があり、良好だった」との見方を示し、第4四半期には各市・各部門が質の高い経済発展を堅持し、「双千億」(注2)を加速するとした(「厦門網」11月1日)。

(注1)主要業務収入が2,000万元以上の卸売業、500万元以上の小売業の法人、主要業務収入が2,000万元以上の工業企業法人など。

(注2)付加価値もしくは営業収入が1,000億元を超え、産業レベルが高く牽引力のある産業チェーン群(千億産業)の育成と、産業投資やインフラ設備・都市建設・農村振興などの投資の伸びを引き上げ、都市の受け入れ能力と居住性を向上するプロジェクト(千億投資)のこと。

(河野円洋)

(中国)

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