インド高速鉄道の研修施設工事始まる

(インド)

アーメダバード発

2018年11月20日

日本の新幹線方式を採用したインド初の高速鉄道の運転・保守研修施設で使用されるスラブ軌道(注)や線路などの日本製資材が11月11日、施設の建設予定地であるインド西部グジャラート州バドダラに到着し、日系建設会社コンソーシアムによるスラブ軌道実習線の建設が始まった。現地を視察したアチヤル・カーレ・インド高速鉄道公社(NHSRCL)総裁は「スラブ軌道は日本の新幹線技術のたまものであり、日本でしか製造されていない」と日本製資材導入の意義を語った。実習線は2019年1月中旬に完成予定だという(「タイムズ・オブ・インディア」紙11月11日)。

本事業では最高時速320キロの高速鉄道が導入され、マハーラーシュトラ州のムンバイ~グジャラート州のアーメダバード間508キロ12駅を最短2時間7分で結ぶ。現在、同区間を運行する急行列車は6時間30分を要する。2023年の開業当初は10両編成750席、1日当たり片道35本の列車を運行させ、将来的には16両編成1,250席、1日片道105本の運行を見込んでいる。運行初年度の1日当たりの利用者見通しは約4万人とされる。カーレ総裁は「現在同区間を乗用車やエアコン付きバスで移動する23万7,000人のうち、2万8,000人程度が高速鉄道の利用に切り替えるだろう」と見通している(同紙11月12日)。

(注)スラブ軌道は、鉄道の軌道の構造の一種。コンクリートの路盤上に軌道スラブと呼ばれるコンクリート板を設置し、その上にレールを新設したもの。山陽新幹線以降の新幹線や高架線路などに多く採用されている。

(丸崎健仁)

(インド)

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