労働コスト調査結果を国家統計院が公表

(チリ)

米州課

2018年11月27日

国家統計院(INE)は10月26日、広範な分野の公式統計をまとめた統計便覧(Compendio Estadístico)の2018年版を発表した。本統計は、GDP、小売り、国民生活など国内経済に関する統計を幅広くカバーしており、特に賃金動向データは進出日系企業が従業員の賃金改定交渉の際に参考として使うことも多い。

労働データについては、2017年1月~2018年4月の調査を基に作成したデータが掲載されている。それによると、1時間当たりの報酬(残業代を入れずに算出した平均値)は2017年4月時点は4,490ペソで、2018年の4月には4,649ペソ(11月20日時点で1ドル=669.6ペソ)、付加給付(フリンジベネフィット)を含めた全体では5,098ペソ、5,302ペソとなっている。なお、1カ月当たりの平均労働時間は2018年4月時点で171.82時間、残業時間は5.6時間だ。

なお、同便覧では企業規模別、業種別、職位別の労働コスト上昇率の比較(2016年平均を100とした場合)も行っている。それによると2018年4月時点で小企業(従業員数5~49人)は110.68となったのに対し、中企業(50~199人)、大企業(200人以上)はそれぞれ107.97、107.21で、小企業における上昇率の高さが目立つ。また、同時点で業種別の労働コストを比較すると、水道・廃棄物処理部門の上昇率が最も高く(111.58)、行政サービス補助が最も低くなっている(102.18)。進出日系企業が多い鉱業分野は108.12にとどまっている(添付資料表1参照)。職位別では、単純労働者(110.75)と管理職(110.52)の上昇率が高く、サービス・警備(98.42)が低い(添付資料表2参照)。

(竹下幸治郎)

(チリ)

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