中国国際輸入博に多彩な国家館、一帯一路関連国の出展目立つ

(中国)

上海発

2018年11月12日

上海で開催された第1回「中国国際輸入博覧会(CIIE)」(11月5~10日)は、7つの展示ホールで構成される企業出展エリアと、各国が国家として出展するナショナルパビリオンエリア(国家館)で構成された。CIIEは、2017年5月に北京で開催された「一帯一路」国際協力サミットフォーラムにおいて、習近平国家主席がその開催を発表したことから、一帯一路経済圏に関する市場開放の意味合いを持つともいわれている。

約3万平方メートルの展示面積を有した国家館には、82カ国と3つの国際機関が71のブースを出展した(添付資料参照)。特産の飲食品や観光をアピールするブース、舞踊や伝統技能を紹介するブース、投資環境や産業の集積、先端技術をアピールするブースなど、各国がさまざまな紹介を行った。中でもドイツ、スペイン、イタリアなどはサッカークラブチームのユニフォーム、英国はサッカープレミアリーグの優勝カップ、イタリアはさらにフォーミュラーカーを展示し、スポンサー獲得も狙ってアピールした。

出展国の内訳をみると、56カ国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)のメンバー国で、32カ国が中国による一帯一路の沿線国だった。出展国のうちブラジル、カナダ、エジプト、ドイツ、ハンガリー、インドネシア、メキシコ、パキスタン、ロシア、南アフリカ共和国、英国、ベトナムの12カ国が主賓国(Guest countries of honor)として主催国中国の出展ブースの近くに配置され、一部の国は開会式に元首級が参加するなど、中国との関係の近さをうかがわせた。主賓国のうちAIIBのメンバーになっていないのはメキシコのみだった。

報道によれば、習国家主席は開会式後に、首脳級が参加した国(ハンガリー、エジプト、英国、チェコ、ケニア、エルサルバドル、ドミニカ、ラオス、ジョージア、ベトナム、パキスタン、ロシア)の出展したブースを、参加国の首脳とともに観覧した。

主催国の中国館は、高速鉄道や航空機の自主開発など技術イノベーションを誇る内容を展示したほか、一帯一路構想が世界経済に貢献する姿勢をアピールした。台湾、香港、マカオについては、出展国数にはカウントされず、中国館の中に〔台湾「親」〕、〔香港「進」〕、〔澳門「荟」〕というキャッチフレーズでブース出展していた。それぞれ、台湾との親しい関係、輸入の窓口としての香港、ポルトガル語国家との協力プラットフォームとしてのマカオといった関係と役割をアピールする展示が行われた。

写真 エジプト館の様子(ジェトロ撮影)

エジプト館の様子(ジェトロ撮影)

写真 ベトナム館の様子(ジェトロ撮影)

ベトナム館の様子(ジェトロ撮影)

写真 ウズベキスタン館の様子(ジェトロ撮影)

ウズベキスタン館の様子(ジェトロ撮影)

写真 中国館の様子(ジェトロ撮影)

中国館の様子(ジェトロ撮影)

写真 台湾ブース(ジェトロ撮影)

台湾ブース(ジェトロ撮影)

(高橋大輔)

(中国)

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