10月のCPIは前月比0.3%上昇

(米国)

ニューヨーク発

2018年11月19日

米労働省が11月14日に発表した2018年10月の消費者物価指数(CPI)は、前月比(季節調整値)0.3%の上昇となり(9月:0.1%上昇)、1月以来(0.5%上昇)9カ月ぶりの高い伸びとなった。ガソリン(上昇率:3.0%)や家賃(0.2%)などの上昇が影響した。変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数も前月比0.2%上昇した。

婦人・女性子供服や家庭用雑貨は下落

米連邦準備制度理事会(FRB)などが重視しているコア指数を品目別にみると、婦人・女性子供服(前月比:1.3%下落)や家庭用雑貨(5.6%下落)などが押し下げ要因になったものの、家賃や中古車(2.6%)などが押し上げに寄与した。

前年同月比については、CPIが2.5%上昇となり、9月(2.3%上昇)から上昇幅が拡大した。コア指数は2.1%上昇と、9月(2.2%上昇)から伸びが鈍化した。

コア指数に含まれない食料品は、前年同月比1.2%上昇(9月:1.4%上昇)と前月から伸びが鈍化し、エネルギーは8.9%上昇(9月:4.8%上昇)と上昇幅が拡大したことから、CPIの上昇幅はコア指数の上昇幅を上回った。

CPIの前年同月比の上昇幅が前月から拡大した点について、キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、アンドリュー・ハンター氏は「ガソリン価格が上昇したことによる部分が大きく、(この要因は)今後数カ月のうちに収まるだろう」と指摘する一方で、それ以外については「われわれの見立てどおり、ここからさらに大きくは伸びていかないだろう」とした(「マーケットウォッチ」11月14日)。

(樫葉さくら)

(米国)

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