ハンガリー政府が上海輸入博に参加、中国ビジネス拡大に期待

(ハンガリー、中国)

ブダペスト発

2018年11月30日

ハンガリー政府は、11月5~10日に中国・上海で開催された第1回中国国際輸入博覧会(2018年11月12日記事参照)に出展した。中国の「一帯一路」政策を支持するオルバーン・ビクトル首相はシーヤールトー・ペーテル外務貿易相、パルコビッチ・ラースロー技術・革新相、ナジ・イシュトバーン農業・地方開発相とともに、開会式に合わせて現地入りした。

パビリオンの開所式典に参加したシーヤールトー外務貿易相は、中国東方航空が2019年夏からブダペスト~上海間の直行便を週4便就航させる計画を明らかにした。現在、ブダペスト~北京間で中国国際航空が運航しているが、ハンガリー政府は、今後も欧州を訪れる中国人観光客が増えると予想し、新たな直行便の開設による観光客のさらなる取り込みを図りたい考えだ。また、中国の大手自動車関連企業とハンガリー東部地域での生産拠点の設立(1億1,000万ドル)について協議中であることも明らかにした。実現すれば当該企業にとって初の欧州進出となる。

このほか報道によると、パルコビッチ技術・革新相は、中国側カウンターパートである工業情報化部の苗圩(ミャオ・ウェイ)部長とMOU(基本合意書)を締結。環境に優しい輸送システム、ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)などの分野での開発で連携を深めることとなった。また、ナジ農業・地方開発相は、中国政府が鳥インフルの発生で停止していたハンガリー産カモやガチョウの輸入を解禁する見通しであることを明らかにした。

中国はハンガリーの貿易相手として、EU域外では最大の輸入元(2017年)で、輸出では米国に次ぐ。今回の訪中に合わせ、対中貿易を重視する政府は、上海にハンガリー企業の対中ビジネスを支援する貿易センターの開設を発表した。また、今後さらに6都市(武漢、南京、成都、杭州、鄭州、広州)に設置予定であることを明らかにした。

(本田雅英、オルマンディ・ジョルト)

(ハンガリー、中国)

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