アリゾナ州、全米初のフィンテック実証実験をアピール

(米国)

ロサンゼルス発

2018年10月30日

アリゾナ州は10月23日、世界最大のフィンテック関係イベント「Money20/20 USA」(ネバダ州ラスベガス)に併せて、同州の説明会を開き、フィンテック誘致の取り組みを説明した。州法の改正に伴い、全米で初めて州内でフィンテックの実証実験が可能となったことや、台湾の企業「オムニモバイル」が認定第1号となったことなどが説明された。

説明会では、アリゾナ商工会議所会頭のグレン・ハマー氏、州下院議員のジェフ・ウェニガー氏、州司法長官室のエバン・ダニエルズ氏、米国消費者金融保護局のポール・ワトキンス氏らがパネル形式で説明をした。

パネリストからは、ダグ・デュシー州知事が法案成立に積極的だったこと、消費者保護に配慮したこと、連邦と州の消費者保護法の調整が困難だったこと、この規制緩和によって、時間と経費の節約ができること、など発言があった。

写真 Money20/20のトークセッションの様子(ジェトロ撮影)

同州は3月に州法を改正し、フィンテックの実証実験が可能な州となった(3月22日の州政府発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。これは、「サンドボックス(規制の砂場)」プログラムと呼ばれ、州内の事業免許を持たないフィンテック事業者にも、条件を限定して、消費者保護規制にとらわれない実証実験を許可するもの。金融産業の集積に熱心な英国やシンガポールなどでも、同様のプログラムがある。同社は今後2年間、ツーソン市内のリゾートホテルで利用者の支払い手段の実証実験を行う。

同州で実証実験を行いたい事業者は、州司法長官室のウェブサイトの指示に従い申請する外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。州司法長官室の担当者は「8月の申請受け付けから、これまで8件の申請を受け付け、まもなく2件目の事業者を認定する予定。今後も新しいアイデアを持つ事業者を歓迎する」と話した。

アリゾナ州のフィンテックの取組みに関するFAQ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照のこと。

(北條隆)

(米国)

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