ブラジル大統領選を注視、政府は地域統合の推進を強調

(アルゼンチン、ブラジル)

ブエノスアイレス発

2018年10月10日

ブラジルで10月7日に実施された大統領選挙の結果を受け(2018月10月9日記事参照)、南米南部共同市場(メルコスール)の加盟国であるアルゼンチンでは、28日の決選投票によって確定する新大統領を軸にした2国間関係、そしてメルコスール諸国にもたらす影響に関心が寄せられている。

アルゼンチン政府は、「決選投票の結果を待ち、両国が共通の目標としている地域統合を深めることと、両国を結び付けているプロジェクトを進めたい」との7日付プレスリリースを発表。ホルヘ・フォリー外務・宗務相は8日、「両国の歴史的関係のみならず、経済的なつながりから(選挙の)結果はわが国にとって極めて重要」と記者会見で述べた。

同相は「アルゼンチン政府は、ブラジルの民主主義、組織・制度の尊重、そして経済などの基盤を強固なものとすることができる候補の勝利を望む」と述べ、選挙を通じた国論の分裂を望まないことを伝えた。政府としては特定の候補への支持は表明しないものの、現地メディアでは、ブエノスアイレス市長だったマウリシオ・マクリ大統領がサンパウロ市長だった労働者党(PT)のフェルナンド・アダジ候補と以前から知己だったことを指摘する一方、PTの勝利は同じ左派の考えを持つアルゼンチンの野党が望んでいるとも伝えている。

アルゼンチンのエコノミストや経済アナリストなどの見通しでは、社会自由党(PSL)のジャイール・ボルソナーロ候補の当選が確実だとされ、市場が同候補に好意的であることからブラジルの景気回復は進み、アルゼンチンにも短期的には良い影響を及ぼすとしている。

(山木シルビア)

(アルゼンチン、ブラジル)

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