第3四半期GDP成長率は前期比0.6%、低調続く

(韓国)

中国北アジア課

2018年10月29日

韓国銀行(中央銀行)は10月25日、「2018年第3四半期のGDP(速報)」を発表した。それによると、第3四半期の実質GDP成長率(速報値)は前期比0.6%、前年同期比2.0%だった(添付資料参照)。

韓国銀行が発表した2018年第3四半期の実質GDP(前期比)を支出項目別にみると、次のとおり。

  • 民間消費:電気や化粧品などの非耐久財、衣類などの準耐久財を中心に0.6%増。
  • 政府消費:健康保険支給費の支出を中心に1.6%増。
  • 建設投資:建物建設、土木建設ともに減少し、6.4%減。
  • 設備投資:輸送機械は伸びたものの、機械類が減少し、4.7%減。
  • 輸出:半導体などを中心に3.9%増。
  • 輸入:化学製品が伸びたものの、機械類などが減少し、0.1%減。

経済活動別(業種別)では、農林漁業は農産物および畜産物の生産減少を受け4.9%減、製造業は半導体など電気電子機器を中心に2.3%増、電気・ガス・水道事業は電気の生産は伸びたものの、ガスの販売が減少して0.1%減、建設業は建物建設、土木ともに減少し5.3%減、サービス業は保険業、その他サービス業が減少したものの、保健・社会福祉サービス業、卸売・小売業、飲食・宿泊業などが増加して0.5%増だった。

韓国銀行の発表を受け、現地報道は「昨年の第4四半期のマイナス成長(マイナス0.2%)以来、3四半期ぶりの最低値」(毎日経済新聞)、「0%台半ばの成長率だが、景況感は一層の冷え込み」(聯合ニュース)と厳しい見方を示している。また、韓国銀行が10月18日に下方修正した2018年の実質GDP成長率の展望値(2.7%)についても、「2.7%の成長率達成にも赤信号」(中央日報)と報じた。

(友田大介)

(韓国)

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