88回目の建国記念日、娯楽の色合い強まる

(サウジアラビア)

リヤド発

2018年09月26日

9月23日、サウジアラビアは88回目の建国記念日を迎えた。建国記念日には毎年、街中に国旗が掲げられ、ビルや街頭も国旗と同じ緑色に染まる。夜には人々が国旗を手に街に繰り出し、首都リヤド中心部の繁華街は車と歩行者でごった返す。

建国記念日はアブドゥルアジーズ初代国王による建国とその後の国家の発展に思いをはせる日だが、この数年は、娯楽の少なかったサウジ国民が楽しめる要素も含まれてきた。2016年4月に国家改革計画「ビジョン2030」が発表され、特に2016年5月に娯楽庁が新設されたことがこうした動きを後押ししているようだ。

88回目となる今回の記念日には、サウジアラビアの地図と13州を表す新しいデザインロゴも発表された。国内主要都市では、娯楽庁が中心となって音楽、踊り、文化・芸術などの各種イベントが計画・実施された。リヤドでは、カナダのエンターテインメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」が公演したほか、フランスのシンセサイザー奏者ジャン・ミッシェル・ジャール氏のコンサートが催され、高層ビル群はプロジェクションマッピングで緑色に彩られた。国内20都市の58カ所で同時に合計90万発の花火が打ち上げられ、約300個のドローンによって縦350メートル横400メートルの国旗が夜空に映し出されたことが、ギネス記録となったことも斬新だった。

「ビジョン2030」の中では、文化・娯楽活動の促進を量・質ともに充実させていくことが明記され、国内の家計における文化・娯楽活動への支出を2.9%から6%に引き上げることを目標としている。建国記念日のみならず、引き続き娯楽分野でのビジネス需要・関心は高まるものとみられている。

(柴田美穂)

(サウジアラビア)

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