第2四半期GDP成長率は前期比0.2%、投資が下支え

(イタリア)

ミラノ発

2018年09月11日

国家統計局(ISTAT)の発表(8月31日)によると、2018年第2四半期の実質GDP成長率(季節調整済み)は前期比0.2%で、16四半期連続のプラス成長となった(表参照)。前年同期比では1.2%だった。

表 イタリアの需要項目別実質GDP成長率(前期比)

第2四半期のGDPを需要項目別にみると、寄与度の高い民間最終消費支出は前期比0.1%の微増にとどまった。2018年の消費者信頼感指数は1~8月まで114~116前後(2010年=100)で安定しており2017年9~12月と同水準にあり、105~110程度だった2016年後半~2017年前半に比べると上昇している。

総固定資本形成(投資)は前期比2.9%増となり成長を下支えした。鉱工業生産指数は2018年1~6月はおよそ106~107前後(2015年=100)で推移し、前年同時期の102~105程度に比べると拡大しているが、直近では横ばい。輸出は0.2%減で、2四半期連続の減少となった。輸出は2011年以降の景気低迷期も伸びを続け経済回復を支えてきたが、ここにきて減速感がみられる。輸入は1.8%増だった。

政府最終消費支出は前期比0.1%増にとどまった。2018年は前政権で成立した予算執行がなされていくため今後も大きな拡大はないと予測される。秋以降に進められる2019年政府予算案審議では、現政権の公約である家計・企業に対する一律税率の導入、失業者への定額給付、年金制度の変更などは財政の拡大を要すると指摘されており、注視が必要だ。

(山内正史)

(イタリア)

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