8月の自動車販売、乗用車は引き続き減少

(インド)

ベンガルール発

2018年09月21日

インド自動車工業会(SIAM)は9月10日、8月の自動車販売台数を発表した。一般乗用車が前年同月比1.0%減の19万6,847台、多目的自動車(UV)は7.1%減の7万3,073台で、ともに2カ月連続で減少した。乗用車全体(一般乗用車、UV、バン)の販売台数は2.5%減の28万7,186台となり、前月に引き続き減少した。

SIAMは8月の販売落ち込みについて、「物品・サービス税(GST)の導入を受けて、昨年7月の乗用車販売が急増したことの反動やケララ州などで発生した洪水による需要減」とみている。

メーカー別の一般乗用車の月間販売は、首位のマルチ・スズキが前年同月比1.4%減の11万4,261台、2位の現代は3.8%減の3万5,290台と、ともに減少した。マルチ・スズキは、「セレリオ」「イグニス」「ディザイア」など主力の小型車の販売台数が7万1,364台と、約25%の市場シェアを占めた。また、新型セダンの「アメイズ」や、「ヤリス」の好調な売れ行きを背景に、ホンダは26.2%増、トヨタは43.9%増と、それぞれ高成長を続けている。なお、8月の販売台数は、主要メーカー13社中5社がプラスとなった。

二輪車部門は、スクーターの販売台数が前年同月比0.6%減の66万9,416台と減少した。一方、オートバイは6.2%増の120万6,512台となり、二輪車全体の伸びを牽引した。メーカー別のオートバイ販売は、首位のヒーローが1.3%増の59万1,401台、2位のバジャージが27.2%増の21万8,437台、3位のホンダが4.9%増の20万1,348台と、それぞれプラス成長だった。二輪車全体の販売台数は2.9%増の194万6,811台で、伸び率は引き続き1桁台にとどまった。

商用車(前年同月比29.6%増、8万4,668台)および三輪車(22.8%増、6万3,199台)を含む自動車全体の8月の販売は、3.4%増の238万1,931台となった。SIAMは今後の見通しについて、「金利の上昇や燃料価格の高騰など、消費者購買意欲をそぐ懸念材料はあるが、9~12月の祝祭シーズンの特需に期待したい」との見方を示した。

(ディーパック・アナンド)

(インド)

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