マクリ政権で4回目のゼネスト、実質給与の減少に抗議

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2018年09月28日

アルゼンチン国内の労働組合を取りまとめる労働総同盟(CGT)は9月25日、ゼネストを決行した。2015年12月にマウリシオ・マクリ大統領が就任してから、4回目のゼネストとなった(1回目は2017年4月6日、2回目は同年12月18~19日、3回目は2018年6月25日)。国内の公共交通機関、公的機関、空港、港湾、銀行などのサービスが行われなかった。政府は今回のゼネストの実施によって、約316億ペソ(約885億円、1ペソ=約2.8円)の経済損失が生じていると試算している。

今回のゼネストでCGTは、マクリ政権の経済政策を批判した。2018年6月に行われた前回のゼネスト以降、景気の後退が顕在化し、8月からの自国通貨ペソの急落により、労働者に対する実質給与の減少が起きたとしている。CGTは、今回のゼネストが成功裏に終わったと総括した。

一方、ゼネストに関する世論の評価は厳しい。現地調査会社マネージメント&フィットと現地紙「クラリン」のによると、今回のゼネストに労働組合に強制されることなく参加したかという問いに対しては40.1%が「はい」と回答した一方、半数を超える53.5%が「いいえ」と回答した。また、労働組合が労働者の利益を代表しているかという問いには、55.9%が「いいえ」と回答し、「はい」の27.1%を大きく上回った。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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