米国の鉄鋼関税賦課、適用除外制度の利用可能を歓迎

(ブラジル、米国)

サンパウロ発

2018年09月13日

米国の鉄鋼・アルミニウム製品への関税賦課問題で、トランプ米大統領は8月29日、数量割当の対象国からの輸入について、製品別適用除外制度の利用を可能にする大統領宣言に署名したが、その対象国にブラジルが含まれた。商工サービス省は30日、同措置に関して、ブラジルが米国政府に対し要望していたものだとし、引き続きブラジルの対米輸出企業の利益を守るために働き掛け続けると発表した。またブラジル鉄鋼院(IAB)も、ハードな輸入割当ではなくソフトな輸入割当へと、原則として要望どおりの方向にあるとし、米国の柔軟化を歓迎する意向を示した。

IABによれば、ブラジルの国内製鉄所の出荷ベースでみた鉄鋼輸出額は2018年1~7月に前年同期比7.6%増の42億4,200万ドルで、数量では1.4%減の792万トンとなっている。数量ベースで内訳をみると、鋼板が4.2%減の257万5,000トン、半製品が前年同期とほぼ同じ534万5,000トンだった。米国の製品別適用除外制度の対象となる品目は、ブラジルの場合、半製品が中心とみられる。相手国別の輸出実績を商工サービス省の通関統計でみると、2018年1~7月の鉄鋼半製品(HSコード720711~720720)輸出(数量ベース)の相手国は上位から順に、米国(全体に占めるシェア47.9%)、トルコ(9.4%)、ドイツ(7.0%)となっている。なお、米国向けの輸出量は前年同期比18.1%増となり、全体に占めるシェアは12.7ポイント上昇している。

(二宮康史)

(ブラジル、米国)

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