欧州中銀、政策金利を据え置き

(EU)

デュッセルドルフ発

2018年09月14日

欧州中央銀行(ECB)は9月13日にフランクフルトで開催された政策理事会後の記者会見で、政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)を0.00%、限界貸付ファシリティー金利〔オーバーナイト貸し出し(翌日返済)の金利〕を0.25%、預金ファシリティー金利〔オーバーナイト預け入れ(翌日満期)の金利〕をマイナス0.40%にそれぞれ据え置くことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

据え置きの期間については、従前どおり、少なくとも2019年の夏まで、またはECBが設定するユーロ圏の物価上昇率の目標値である「2%未満でかつそれに近い水準」の水準を継続的に達成するために必要な期間とした。また、ユーロシステムによる債券・国債の購入拡大プログラム(APP:expanded asset purchase programme)についても、2018年9月末までは月額300億ユーロと現行水準を維持し、その後、月額150億ユーロに減額し、2018年末をもって終了するとのこれまでの方針を維持した。

ユーロ圏の2018年第2四半期の実質GDP成長率は前期比で0.4%と、圏内全域で堅調な成長を示した(2018年9月13日記事参照)一方、同日発表のECBスタッフマクロ経済予測外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、海外需要の弱まりなどにより、2018年の実質GDP成長率を前回(2018年6月)予測値の2.1%から2.0%に、2019年を前回予測値の1.9%から1.8%に、それぞれ0.1ポイント下方修正し、2020年については前回予測値と同じ1.7%とした。

マリオ・ドラギ総裁は記者会見で、「保護主義の台頭、新興国市場の脆弱(ぜいじゃく)性、金融市場の変動をめぐる不確実性は顕著化している」との認識を示している。なお、同経済予測では、消費者物価指数(CPI)について、2018年から、2019年および2020年まで1.7%の水準を維持するとしている。

表 ECBスタッフマクロ経済予測(前年比)

(森悠介)

(EU)

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