広東省、持ち分購入による住宅取得を支援へ

(中国)

広州発

2018年09月21日

中国政府は、「試験都市での共有産権住宅性政策的商品住宅の発展に関する指導意見」(建保〔2014〕174号)で、北京市、上海市、広東省深セン市、四川省成都市、江蘇省淮安市、湖北省黄石市の6都市を試験地に定め、政府と購入者が持ち分を共有する共有産権住宅の普及への試みを始めており、広東省政府は9月11日、「共有産権住宅発展の推進に関する指導意見」の意見募集稿外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表して、意見募集を行っていた。

共有産権住宅は、購入時に自らの持ち分に応じた費用を支払えばよいため、購入者の負担が軽減され、比較的収入の低い家庭でも住宅購入が可能となる。同時に、転売時にも自らの持ち分のみを転売するため、投機的な不動産購入を防ぐ効果があるとされる。

広東省では2018年6月に、広州市、深セン市、珠海市、仏山市、茂名市が試験地域として指定された。

5年以上の居住で持ち分譲渡が可能に

規定では、条件を満たす都市部の住宅を持たない家庭が購入対象となる。購入により、通常の住宅と同様に、戸籍取得、入学などの公共サービスを受けられる。

面積は90平方メートル以下を主とし、価格は供給者が委託する不動産評価機関が販売前に評価を行う。原則として、持ち分の50%以上を購入する必要がある。

10年以上の居住などの条件を満たした場合、持ち分の全てを一括で追加購入し、一般住宅へ登録を変更することができる。また、5年以上の居住などの条件を満たした場合、持ち分の譲渡が可能となる。居住が5年以下の場合、持ち分を譲渡できない。持ち分の追加購入、譲渡価格は時期、地域、品質が同レベルの一般住宅の価格を参考として定める。

塀などの差別的扱いを禁止

通常の住宅エリアに共有産権住宅がある場合、エリア全体で統一して管理を行う。管理者は共有産権住宅と一般住宅の間に塀を設けるなど、差別的扱いを禁止する。

政府持ち分については、家賃を徴収しない。管理費は全て購入者が負担する。購入者がほかに住宅を所有する場合、持ち分を手放す必要がある。持ち分を手放さない場合、新たに所有した住宅の登記を行わない。

購入者が持ち分の追加取得、譲渡などを行った場合、条件を満たす場合は関連の税金について優遇措置を受けられる。

(河野円洋)

(中国)

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