第2四半期GDP成長率は前期比0.9%、前年同期比3.4%

(オーストラリア)

シドニー発

2018年09月18日

オーストラリア統計局(ABS)は9月5日、2018年第2四半期の実質GDP成長率を前期比0.9%、前年同期比3.4%と発表した。第1四半期の3.2%(前年同期比)から加速しており、景気後退(注)が起こっていない期間の世界最長記録を108四半期に更新した。

GDPを需要項目別(添付資料の表1参照)にみると、約6割を占める民間最終消費支出は前期比0.7%増だった。政府最終消費支出が1.0%増、民間住宅が1.7%増、財貨・サービスの輸出が1.1%増と、成長を牽引した。

産業別(添付資料の表2参照)に前期比でみると、石炭は4.7%増、石油・ガスは1.5%増、探査・鉱業関連サービスが4.2%増と好調だった。製造業は1.5%減に転じたが、建設業は1.9%増と伸びた。サービス業も全体的に伸びており、小売業が1.1%増、宿泊・飲食サービス業が1.2%増、不動産業が1.7%増、情報通信業が1.8%増、専門サービスが1.9%増、医療サービス業が1.3%増となった。

国内最大手銀行オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の分析によれば、第2四半期の実質GDP成長率は市場関係者の予想よりも高水準だった。住宅建設、鉱業への投資、公的消費などが成長を牽引した。他方、今後の住宅建設の拡大は見込めず、世帯貯蓄率も低迷していることから家計消費の持続性については不透明のため、「経済成長は今後、多少減速する可能性がある」としている。

(注)一般的に、2四半期連続でのマイナス成長が「景気後退」と見なされる。

(小柳智美)

(オーストラリア)

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