タミル・ナドゥ州がICT政策2018を発表

(インド)

チェンナイ発

2018年09月21日

インド南部のタミル・ナドゥ(TN)州は9月10日、IT関連産業の振興を目的とする「情報通信技術(ICT)政策2018PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表した。IT分野では2008年以来、10年ぶりの新政策となった。ICT政策2018は「ITおよびITeS(ITが創るサービス)の分野でTN州を国内トップにする」としており、そのための方策や重点分野、スキル開発、企業へのインセンティブなどについて言及している。

同政策では、TN州を理想的な投資先の1つとするため、アーリーステージ(起業直後の段階)にあるチェンナイのテクノロジースタートアップの支援、ITおよびITeSの分野における研究開発(R&D)やイノベーション、起業家活動の支援などが盛り込まれた。また、特別重点分野としてアニメーションとゲームが指定され、重点分野としてはSMAC(ソーシャル、モバイル、アナリティクス、クラウド)やデータウエアハウスなどが指定された。

スキル開発で産業界と教育機関の連携を強化

TN州政府は豊富な理工系人材を投資環境の強みの1つとしており、同政策ではスキル開発について単独の項目が設けられた。州政府によると、州内に573ある工科大学の年間入学者数26万人のうち、9万人程度がIT、コンピュータサイエンスおよびエレクトロニクス・電気通信を専攻しており、同州は国内で最大の技術者の供給地となっているという。

州政府は同政策において、ITおよびITeS業界の期待に沿うよう、業界の課題への対処、中核的研究機関・大学との連携および外国語の知識を持つ熟練労働者育成の分野で、スキル開発と質の向上を提供するとした。また、インド政府、TN州政府およびIT産業界が共同で設立した「ICTアカデミータミル・ナドゥ(ICTACT)」を通じ、教育機関における卒業生の質の改善、ICT産業における即戦力人材の育成に注力するとした。

(坂根良平)

(インド)

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