2040年までの発展戦略を採択、人材育成を最優先

(キルギス)

欧州ロシアCIS課

2018年08月17日

ソオロンバイ・ジェエンベコフ大統領は8月13日、「キルギスの持続的発展に関する国家評議会」を開催、2040年までの発展戦略が採択された。政府は人材の育成に力を入れ、汚職の撲滅などに引き続き取り組む。同大統領は今後友好関係を発展させる国の1つとして日本を挙げ、交流活発化に期待している。

採択されたのは「2018年から2040年までのキルギスの持続的発展戦略『透明な社会・新時代』」。既存の戦略を改定し、経済、社会保障(保健・福祉・文化など)、社会安全(人権、民族問題、国防など)の3分野21項目で2040年までに政府が達成すべき目標を設定した。ジェエンベコフ大統領は、人材育成を政策の中心に据え、政府として最優先で取り組むと発言。加えて腐敗撲滅や公明正大で開かれた政府運営のため、デジタル技術を通じた透明性の実現に取り組むと述べ、司法改革を進める考えも示した。

戦略では244件、総額2,080億ドルの政府事業が予定されており、住民への飲料水供給関連事業21件(5億8,800万ドル)、灌漑関連事業32件(2億8,700万ドル)、エネルギー関連事業17件(82億8,900万ドル)などが含まれる。

対外関係についてジェエンベコフ大統領は、「目まぐるしく変わる世界にキルギスも対応しなければならない」と述べ、ロシアを含む周辺国との関係重視、ユーラシア経済連合(EEU)、集団安全保障協力機構(CSTO)、上海協力機構(SCO)の枠内での協力強化のほか、中国との関係を戦略的関係に格上げし、トルコ、日本、韓国、米国、EUとの間でも友好関係を発展させるとしている。

(高橋淳)

(キルギス)

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