北朝鮮の2017年の対中貿易額、13.2%減も依存度は過去最高

(北朝鮮、中国)

大連発

2018年08月15日

大韓貿易投資振興公社(KOTRA)は7月18日、北朝鮮の2017年の対外貿易動向について発表した。北朝鮮の対中国貿易額は52億5,869万ドルと前年比13.2%減となったが、対外貿易額全体に占める割合は94.8%と過去最高になった。

KOTRAが対外貿易動向を発表

北朝鮮の中国への貿易依存度は、2005年に初めて50%に達し、2014年に初めて90%を超えた。2017年は国連による対北朝鮮制裁の強化により、中朝間の貿易額が前年比で縮小したが、北朝鮮と中国以外の国との貿易額の縮小幅がより大きかったため、対中貿易依存度は上昇した。

2017年の北朝鮮の対中輸出額は前年比37.3%減の16億5,066万ドルで、対中輸入額は5.4%増の36億803万ドルだった。対中貿易赤字は2016年の7億9,000万ドルから19億6,000万ドルに大幅に増加した。北朝鮮の対中貿易は以前から入超が続いていたが、2017年の制裁の影響で、中国向け鉱物性燃料輸出の大幅減となったことが貿易赤字の大幅増につながった。

北朝鮮の最大の対中輸出品目は衣類/付属品(メリヤス、編物を除く)で、輸出額全体の30.1%を占めた(表1参照)。2016年に最大の対中輸出品目だった鉱物性燃料は、2017年の制裁の影響により石炭の中国向け輸出が大幅に減少したことなどから、前年比65.2%減の4億1,000万ドルとなった。また、北朝鮮の主な外貨獲得源として注目された魚類・甲殻類・軟体動物は、安保理決議を受けて2017年8月から北朝鮮産海産物の輸入が禁止されたことにより、14.3%減の1億6,000万ドルにとどまった。

表1 北朝鮮の対中主要輸出品目(2017年)

2017年の北朝鮮の最大の対中輸入品目は鉱物性燃料・鉱物油で、前年比5.9%減少したものの、輸入額全体の9.7%を占めた(表2参照)。2016年に高い伸びを示した車両およびその部品は20.6%減となり、上位5品目から外れた。

表2 北朝鮮の対中主要輸入品目(2017年)

(呉冬梅)

(北朝鮮、中国)

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