重慶市で第1回スマート産業博覧会が開催

(中国)

成都発

2018年08月29日

重慶市で8月23~25日、第1回中国国際スマート産業博覧会が開催された。

同博覧会にはテンセントやアリババをはじめ、国内外から500社以上の企業・団体が出展し、最新技術の紹介や、それを駆使した体験コーナーが設けられた。また、国内外のさまざまな業界から400人以上の著名人が参加し、ビッグデータやスマート産業に関するハイエンドフォーラムが開催された。博覧会事務局の発表によると、会期中に50万人超が来場し、501件のプロジェクトが締結された。合計の契約額は6,120億元(約9兆7,920億円、1元=約16円)に上った。

写真 アリババによる「無人シェア書店」(ジェトロ撮影)
写真 ハイエンドフォーラムの様子(ジェトロ撮影)

習国家主席、各国と連携したデジタル経済の発展に意欲

8月23日の開幕式では、習近平国家主席から祝賀メッセージが寄せられたほか、韓正国務院副総理やアリババのジャック・マー(馬雲)会長、テンセントのポニー・マー(馬化騰)最高経営責任者(CEO)らも出席した。習国家主席はメッセージの中で、「われわれは新たな技術革命や産業変革が起ころうとしている時代に存在している。現在、インターネットやビッグデータ、人工知能などの次世代情報技術が急成長している。デジタル経済と実体経済の融合と発展を促進し、成長の原動力の刷新を加速させ、新産業の『新常態』を打ち立てることは各国が直面する共通の任務だ」と指摘し、「中国はデジタル経済の国際協力に積極的に参加し、各国と連携してデジタル経済の健全な発展を推進することで、世界経済の成長のための新たな原動力を育成し、新たな空間を切り開きたい」と述べ、各国と連携したデジタル経済の発展に意欲をみせた。

重慶市は産業のモデルチェンジを図る

今後、同博覧会は毎年、重慶市で開催される予定だ。同市の2018年上半期の域内総生産(GRP)成長率は6.5%と全国(6.8%)を下回り、特に自動車産業をはじめとする製造業のモデルチェンジが喫緊の課題となっている(2018年8月22日記事参照)。同市は博覧会に合わせて、「ビッグデータとスマートテクノロジーによるイノベーションが牽引する成長を目指すための重慶市の行動計画」を発表しており、同博覧会をきっかけとした重慶市経済のさらなる成長が注目される。

(田中琳大郎)

(中国)

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