ピニェラ政権、3閣僚を交代

(チリ)

サンティアゴ発

2018年08月16日

ピニェラ大統領は8月9日、3閣僚の交代を発表した。3月の政権発足から約5カ月での閣僚交代は、1990年の民主化以降で2番目の速さ。教育相には環境相だったマルセラ・クビジョス氏が横滑りとなり、環境相には前ピニェラ政権(2010年3月~2014年3月)で教育相などを務めたカロリナ・シュミット氏が選任された。

ヘラルド・バレラ前教育相のピニェラ大統領との考えの相違や、就任以降の失言は度々問題視されていた。また、アレハンドラ・ペレス前国家文化・芸術審議会議長には野党との不要な対立などが交代の要因として指摘されている。チリ民間調査会社カデムによると、政権の支持率は6月中旬に政権発足後最高の60%を記録したが、閣僚の失言や主要産業である鉱業の停滞などもあり8月第1週には46%まで下落した。大統領は閣僚交代によって巻き返しを図ろうとしたかたちだ。

しかし、国家文化・芸術審議会議長に任命されたマウリシオ・ロハス氏については、ピノチェト軍事政権時代の人権侵害の実態を展示している「記憶と人権博物館」について「モンタージュ」と発言していたことに野党や文化関係者が反発、8月13日にコンスエロ・バルデス氏への交代が発表された。

表 交代した閣僚の顔ぶれ

(中山泰弘、岡戸美澪)

(チリ)

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