深セン市、個人住宅は3年以内の転売を禁止

(中国)

広州発

2018年08月10日

深セン市政府は7月30日、「不動産コントロールのさらなる強化、不動産市場の安定的で健全な発展促進に関する通知」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(深府弁規〔2018〕9号)(以下、通知)を発表した。同日から実施となった。

主な内容は、(1)法人による新規住宅購入の禁止、(2)新たに供給される土地に建設されるビジネスアパートメント(注)は賃貸のみ許可、(3)個人、法人が新たに購入するビジネスアパートメントの不動産登記から5年以内の転売を禁止、(4)個人の住宅購入は不動産登記から3年以内の転売を禁止、(5)離婚後2年以内の住宅ローンの申請は頭金比率を70%とする、などだ。

表 通知による深セン市の不動産購入規制

市政府が投機性の高まりに危機感

近年、深セン市では不動産価格が急激に上昇しており、政府は抑制に力を入れている。2016年には「不動産市場の安定的で健全な発展のさらなる促進に関する若干の措置」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表し、住宅面積や購入数量などについて規制を開始した。

今回の通知の背景には、(1)企業の住宅購入が増加し、個人購入との公平性が失われていること、(2)ビジネスアパートメントの転売と企業による購入が増加していること、(3)住宅が2回転売されるまでの期間は3年未満が46%を占めるなど投機性が強まっていること、などがあるとみられている。

(注)商務公寓と呼ばれる、商業用地にオフィス・商業施設などと併設して建設された住宅。通常の住宅とは土地使用年数などが異なる。

(河野円洋)

(中国)

ビジネス短信 3db94ec7db69e7cf