11月の輸入博に向け、上海市が大気の質を確保へ規制強化

(中国)

上海発

2018年08月30日

11月に開催予定の「第1回中国国際輸入博覧会(CIIE 2018」(以下、輸入博)まで3カ月を切り、着々と準備が進められている。上海市内でも主要道路や関係施設などの整備が行われているが、これに加え、環境対策として輸入博の会期中(11月5~10日)に大気の質の確保も行われる見込みだ。

8月に入り、上海市内各地区の環境保護局が「大気応急汚染物削減措置リストの編集」(以下、リスト)に関する勉強会を開催している。これは、生態環境部と上海市環境保護局の要求に基づき、リストの作成を通じて、企業の排出削減措置を明確にし、大気重度汚染警報発令時および輸入博会期中においては、要求に応じた主要大気汚染物質の排出削減を確保するもの。

具体的には、「上海市大気重度汚染特定項目応急プラン(2018年版)」の警報レベルに基づき、汚染物とされる二酸化硫黄(SO2)、窒素酸化物(NOx)、粉じん、揮発性有機化合物(VOC)の排出削減要求が定められている。それぞれ、青色警報(IV級)では10%削減、黄色警報(III級)では15%削減、オレンジ色警報(II級)では30%削減、赤色警報(I級)では40%削減となっているが、輸入博期間中はNOxおよびVOCについて50%削減が求められている。

各企業は、各警報レベルにおける排出削減措置の明記が求められるが、認可される措置としては、操業停止、生産ラインの一部停止、ピークシフト生産、輸送頻度の減少、使用燃料の変更などとなっている。当該規制は輸入博会期の前後、10月29日から11月11日まで(一部地域では11月15日まで)との情報もあり、当該地域の工場の操業に影響が出る可能性があるため、最終製品や部品の製造、またこれらに関する輸送などに当たっては注意が必要だ。

(高橋大輔)

(中国)

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