7月の輸出額は前年同月比14.3%増加も、貿易赤字が拡大

(インド)

チェンナイ発

2018年08月27日

インド商工省は8月14日、2018年7月の貿易統計(速報値)を発表した。輸出額は前年同月比14.3%増の257億7,000万ドル、輸入額は28.8%増の437億9,000万ドルとなった。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は180億2,000万ドルの赤字となり、前年同月の赤字額(114億5,000万ドル)から拡大し、5年2カ月ぶりの大きさに膨らんだ。国際的な原油価格上昇に伴い、主要輸入品目である原油・石油製品の貿易額が増加していることなどが背景にある。

輸出額の上位2品目である石油製品、宝石・宝飾品以外の品目の輸出額は186億8,000万ドルで、前年同月の169億8,000万ドルと比べ10.0%増加した。主な輸出品目では、エンジニアリング製品が9.1%、有機・無機化学品が19.9%、医薬品・精製化学品が2.2%、それぞれ前年同月比で伸びた。

原油・石油製品の輸入額は57.4%の増加に

最大の輸入品目である原油・石油製品の輸入額は123億5,000万ドルで、前年同月の78億4,000万ドルと比べ57.4%増加した。原油・石油製品以外の輸入額は314億4,000万ドルで、前年同月の261億5,000万ドルより20.2%増加した。主な輸入品目では、電子機器が26.4%、機械・器具が30.6%、金が40.9%、石炭が33.7%、有機・無機化学品が25.9%、それぞれ前年同月比で伸びた。

対イラン制裁の例外措置を探る動きも

米国は対イラン経済制裁の中で、11月4日までにイラン産原油の完全な輸入停止を各国に求め、取引を継続する国には、米国の金融システムへのアクセスを制限すると警告している。こうした中、インドがイラン産原油の輸入を最大50%削減する見込みがあると報じられている(「ビジネス・スタンダード」紙8月14日)。インドは米国の要求を部分的に受け入れることで、イランとの取引を続けると同時に、制裁措置も免れたいという考えだ。地元紙によると、7月にインド政府と米国当局との間で非公式な協議が行われたとされている。イランはインドにとって、イラクとサウジアラビアに次ぐ世界3位の原油輸入元であり、国内の原油需要の約1割を同国の輸入に依存している。

(榎堀秀耶)

(インド)

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