パキスタン下院選挙で野党第2党のPTIが躍進

(パキスタン)

カラチ発

2018年07月27日

パキスタンで7月25日に総選挙が実施された。争われた議席は下院の全342議席のうち、女性、非ムスリム枠の計70議席を除く272議席と州議会の577議席。7月26日正午時点ではなお開票作業が続いているが、現地メディアは出口調査などを基に、下記のとおり下院選挙の結果を速報している。

  • パキスタン正義運動(PTI、野党第2党):120議席(272議席中の構成比44.1%)
  • パキスタン・ムスリム連盟ナワーズ・シャリフ派(PML-N、与党):61議席(22.4%)
  • パキスタン人民党(PPP、野党第1党):40議席(14.7%)
  • 統一行動評議会(MMA)、11議席(4.0%)
  • その他の政党:25議席(9.2%)
  • 無所属:16議席(5.9%)

PTIを軸に連立政権を模索か

野党だったPTIが最多の議席を獲得する見込みだが、下院の過半数である172議席を超える政党はなく、今後はPITを軸に連立政権を模索するとみられ、発足までに数カ月を要する可能性もある。PTIはこれまで、PML-Nの党首だったナワーズ・シャリフ前首相の汚職疑惑を糾弾してきた経緯から、両党が連立する可能性は薄いという見方が強い。

選挙管理委員会の発表によれば、今回の選挙から開票作業に新システムを導入したため、選挙結果の確定と公表に従前より時間を要しているという。現地メディアの速報は、公式発表と誤差が生じる可能性はあるが、大勢は変わらないとみられる。

なお、日系企業の多いカラチ市内では、治安面でも大きな混乱はなかった。多くの日系企業は26日から通常どおり営業している。

(久木治)

(パキスタン)

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