北京のフォーラムに外相出席、中国との経済関係強化に期待

(サウジアラビア)

リヤド発

2018年07月17日

7月10日に北京で開催された「中国・アラブ諸国協力フォーラム」に、サウジアラビアからはアデル・ビン・アフマド・アル=ジュベイル外相が出席した。

サウジ国営通信(SPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、同フォーラムに併せて現地シンクタンク(中東研究協会:Middle East Studies Association)で基調講演を行った同外相は、サウジと中国の2国間関係について、「相互の主権を尊重し、関係を深化させてきた」と良好な経緯を強調した。また、「(中国が提唱する)一帯一路構想においては、サウジも主要なパートナーの1つである」と述べ、アラブ諸国全体に加え、サウジとしても積極的に同構想に関与していく姿勢を示した。サウジの国家改革計画「ビジョン2030」についても触れており、経済の多角化、競争力強化における中国との関係強化に強く期待しているものとみられる。

2017年のサウジの貿易統計によると、中国からの輸入は769億7,100万リヤル(約2兆3,090億円、1リヤル=約30円)と、最大の輸入相手国。中国への輸出は前年比21.8%増の973億5,400万リヤルで、日本に次ぐ輸出相手国となった。他方で、中国企業によるサウジ国内の活動としては、南部の都市ジーザーンで港湾整備および工業団地開発を一手に担っているものの、中国の対外直接投資額(フロー)全体に占めるサウジの割合は、過去数年間をみても1%未満にとどまっている。

(柴田美穂)

(サウジアラビア)

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