貿易救済ソウル国際フォーラムが開催

(韓国)

ソウル発

2018年07月11日

韓国産業通商資源部は7月3日、「2018貿易救済ソウル国際フォーラム」を開催した。同フォーラムは2001年から毎年、開催されている。2018年のテーマは「自由・公正な貿易のための貿易救済機関(注1)の挑戦と課題」で、WTO、日本、米国、EU、中国、インドなど20カ国・機関の関係者やビジネスパーソンら300人余りが参加した。参加国・機関数は過去最多だった。産業通商資源部の関係者は「最近、世界的に保護貿易の動きが広がる中で、主要国の貿易救済機関が集まって自由貿易の拡大や通商摩擦の回避方策について議論したのは有意義だった」と述べた。

同フォーラムの開催に併せ、7月4日に「貿易救済機関長の懇談会」と「調査官の技術協議会」が開催された。懇談会では、貿易救済措置(注2)制度の運用に関する議論が行われ、日本、中国、韓国など6カ国が自国の価格約束制度(注3)の規定および慣行を紹介した。技術協議会では、弁護士や会計士などの民間専門家11人も参加し、各国の調査官と意見交換を行った。

(注1)WTO協定に基づく貿易救済措置を発動するための調査機関。ちなみに、同フォーラムには、韓国からは産業通商資源部貿易委員会委員長、日本からは経済産業省の幹部が参加した。

(注2)貿易救済措置(Trade Remedy)とは、外国からの不公正な輸入などの特別の事情がある場合に、貨物・供給者・供給国などを指定して割増関税の賦課や数量制限を行うことにより、国内産業を保護・救済するための制度で、WTO協定上認められた救済手段。具体的にはアンチダンピング(AD)関税、相殺関税(CVD)、セーフガード(SG)措置がある。

(注3)価格約束制度(Price Undertaking)とは、供給者が価格引き上げまたは輸出中止を約束した場合、暫定措置またはアンチダンピング関税を賦課せず、調査手続きの中止または終結を行う制度(WTOアンチダンピング協定第8条)。

〔李丙鎬(イ・ビョンホ)〕

(韓国)

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