広汽集団と車載電池大手のCATLが新会社設立に合意

(中国)

広州発

2018年07月30日

広東省広州市に本拠を構える国有自動車メーカーの広州汽車集団(以下、広汽集団)と、福建省に本拠を置く電池大手の寧徳時代(CATL)は、7月19日に駆動用バッテリーの新会社設立に関する契約を締結した。

両社は、「広汽時代動力電池系統(仮)」(以下、広汽時代)と「時代広汽動力電池(仮)」(以下、時代広汽)の2社を広州市に設立する予定。うち、広汽時代は駆動用バッテリーシステムの開発、生産、販売、およびバッテリー関連技術の開発などを行う。登録資本金は1億元(約16億円、1元=約16円)、出資比率はGACが51%、CATLが49%とされている。時代広汽はリチウムイオンバッテリー、駆動用バッテリー、電力貯蔵用大容量バッテリーの開発、生産、販売を行うほか、アフターサービスおよび技術サポートを提供する。登録資本金は10億元、出資比率はCATLが51%、広汽集団が49%とされている。

新会社の設立は、広汽集団にとって、新エネルギー車(NEV)のコア部品の安定供給による購買コスト削減につながり、NEV分野での競争力向上が期待できる。CATLにとっては、自社のバッテリー技術の優位性をGACの技術と経験に融合させ、駆動用リチウムイオンバッテリーの研究開発(R&D)と生産を加速し、NEVに適したバッテリーを設計することで、GACの量産の需要を満たすことができる(「新華網」7月19日)。

CATLは2011年に創業され、今や世界最大手の電気自動車(EV)用蓄電池メーカーに成長している。中国の4カ所に製造拠点、中国およびドイツにR&Dセンターを構えている。ほかにも、日本および韓国などのアジア諸国での販売拡大を目指し、2018年5月に神奈川県に設立した営業拠点で取引先に開発支援およびカスタマーサポートの提供を開始した(2018年6月4日記事参照)。

(黄冬瑩)

(中国)

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