広東省、上半期の自動車生産台数も全国1位

(中国)

広州発

2018年07月31日

広東省の2018年上半期(1~6月)の自動車生産台数は、前年同期比3.6%増の153万6,000台で全国1位になるとともに、全国(1,430万1,000台)の約10%を占めた。その他の主要都市は、上海市が151万9,600台、吉林省が135万3,400万台、重慶市が102万7,700万台だった。

伸び率は2017年通年より大きく鈍化

広東省の自動車生産台数は近年、大幅な伸びを続けており、2016年からは通年で2年連続の中国1位となっている。2018年上半期は1位を維持したものの、2017年通年に比べ伸び率は大きく鈍化した。

図 広東省の自動車生産台数の推移

広東省最大の自動車企業グループである、広州汽車集団の主要メーカーの広東省における生産台数をみると、2017年上半期は前年同期比30.3%増(85万40台)だったのが、2018年上半期は9.8%増(93万3,543台)となった(表1参照)。

トヨタとの合弁である広汽豊田汽車は16.9%増と前年同期よりも伸びは拡大した一方、ホンダとの合弁である広汽本田汽車の伸びは5.7ポイント減の7.6%増、広州汽車の自主ブランド車を製造する広汽乗用車は42.4ポイント減の14.0%増にとどまった。また、フィアットクライスラーとの合弁である広汽フィアットの販売台数は21.6%減と落ち込んだ(注)。

表1 広汽集団主要自動車メーカーの生産台数

特に伸びが鈍った広汽乗用車の車種別販売台数をみると、全体の8割強を占めるスポーツ用多目的車(SUV)部門が5.3%減(表2参照)となっている。特に主力車種の「伝祺GS4」の落ち込みが激しい。

広汽乗用車は2018年6月に音声認識機能などを搭載した新型「伝祺GS4」を発売し、販売台数増加を目指す。希望小売価格は従来型より1万元(約16万円、1元=約16円)程度安い8万9,800元~15万1,800元に設定し、自動車ローンは2年間金利ゼロ、先着1万人に対し3年間で計6回の無料メンテナンスをするなどの販売促進を行っている。

表2 広汽乗用車の車種別販売台数

(注)広汽フィアットは湖南省長沙市と広東省広州市に生産拠点を持つ。拠点別の生産台数は発表されていないため、広州拠点生産モデルの販売台数を使用した。

(河野円洋)

(中国)

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