中国、青い空を守るための3年行動計画を制定

(中国)

北京発

2018年07月12日

国務院は7月3日、「青い空を守る戦いに勝利するための3年行動計画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、行動計画)を発表した。京津冀(北京市、天津市、河北省)と周辺地域、長江デルタ、汾河(ふんが)と渭河(いが)の流域にある汾渭平原などを重点エリアとして大気汚染防止活動を行い、2020年までに、全国の地級市以上で、微小粒子状物質(PM2.5)の年間平均濃度(35マイクログラム)未達成の都市の平均濃度を2015年比で18.0%以上低下させ、空気の質が「優良」となる日数の比率を年間80.0%にするとしている。

行動計画によると、「散乱汚企業(注)」に対し全面的な一斉取り締まりを実施する。鉄鋼業界の超低排出を実現するための改造を加速させる。北方地区においては着実にクリーン暖房の整備を進め、石炭の小型ボイラーの廃棄を加速し、石炭火力発電所の低排出を実現するための改造を進める。グリーン交通実現のため、道路輸送を減らし、鉄道による貨物輸送の比率を高め、ガソリン・ディーゼルの品質の向上を加速させる。さらに、露天掘り鉱山の総合管理を推進し、黄砂に対する総合対策を強化する。

また、汚染物の排出を大幅に削減するため、秋季および冬季に重点地域、特に京津冀と周辺地域における防止活動プランを定めて実施する。また、ディーゼルトラックの生産・販売・登録など各段階の監督管理を強化する。このほか、工業用ボイラーの特別整備活動を行うとともに、重点業界における揮発性有機化合物(VOC)の管理を強化する。

行動計画では、汾渭平原大気汚染防止協力メカニズムを構築し、京津冀および周辺地域大気汚染防止指導小組が統一的に指導することも決めた。重大プロジェクト建設などの重要事項や重度汚染の緊急時にはエリアで連動して対応する。

(注)「散乱汚」企業とは、産業政策と現地の発展計画に合致しておらず、関連手続きを経ていない、安定的に排出基準を満たしていない環境汚染企業を指す。

(趙薇)

(中国)

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