各種世論調査は追加関税に否定的、FTAには賛成

(米国)

米州課

2018年07月26日

ピューリサーチセンターは7月19日に、米国が課す鉄鋼とアルミニウムへの追加関税(2018年3月27日記事参照)に対する評価に関する世論調査結果を発表した。「良い」と評価した回答者が40%、「悪い」が49%だった。共和党支持者では「良い」が73%(「悪い」は18%)、民主党支持者では「悪い」が77%(「良い」は15%)と対照的な結果となった。

年齢別では、18~49歳で「悪い」と答えたのは過半数の53%(「良い」は39%)だったが、50歳以上は「悪い」が43%で、「良い」と回答した人と同率になった。

また学歴別では、大卒者は「悪い」が56%と過半を占めたが、大卒者以外は「悪い」が45%、「良い」が42%と大きな差がなかった。

2018年11月の中間選挙に向けて、トランプ政権は通商政策の実施を急いでいるが、トランプ政権への国民の見方について、各機関で実施された同様の世論調査結果を紹介する。

大統領選挙の前よりFTAに前向きに

ピューリサーチセンターが不定期に実施した世論調査では、米国民の自由貿易協定(FTA)への評価が、大統領選(2016年11月)の直前には「良い」が45%、「悪い」が43%と拮抗(きっこう)していたが、その後は「良い」が徐々に増加し、2018年4月の調査では56%に達した。「悪い」と評価する人は、ピーク時の43%から30%まで低下している。

同調査において、共和党支持者では「良い」が43%、「悪い」が46%と「悪い」がやや上回り、民主党支持者では「良い」が67%、「悪い」が19%と「良い」が大幅に上回った。

調査会社ギャラップが毎年2月に調査する貿易が経済成長に与える影響に対する意識調査では、大統領選挙前よりも貿易を「良い機会」と捉えている人の割合が上昇し、2017年には72%に達した。2018年も「良い機会」とする回答が70%を維持した。一方、「脅威」と答えた割合は、2016年と比較して10ポイント前後低下した。

2018年4月のキニピアック大学の調査によれば、トランプ政権の通商政策に対する評価は、「賛成」が40%、「反対」が52%だった。共和党支持者では「賛成」が82%(「反対」は12%)と多かったが、民主党支持者は「反対」が90%(「賛成」は7%)と正反対の結果になった。

なお、各調査の詳細、実施概要は添付資料参照。

(松岡智恵子)

(米国)

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