7月25日総選挙に向け暫定内閣発足

(パキスタン)

カラチ発

2018年06月07日

マムヌーン・フセイン大統領は5月31日、総選挙(7月25日)後に新政権が発足するまでの暫定首相にナシルウル・ムルク最高裁判所判事を任命した。6人の閣僚についても6月5日に発表され、暫定内閣が発足した。今回の組閣は、5月31日に下院の任期が満了したことを受けて行われた。

パキスタン憲法では、下院の任期満了の予定日から60日以内に総選挙を実施することが規定されている。下院が任期満了、または解散した際は暫定内閣が組閣される。総選挙後の新政権は、早ければ8月中に発足する可能性があるが、9月以降になると見る向きもある。

暫定内閣の顔ぶれは次のとおり。

  • 首相:ナシルウル・ムルク(Nasirul Mulk)。1950年、カイバル・パクトゥンクワ州スワート出身。英インナー・テンプル法曹院修士。ペシャワール高等裁判所を経て、2014年7月より最高裁判所判事。
  • 外務相、防衛相、防衛生産相:アブドゥッラ・フセイン・ハールーン(Abdullah Hussain Haroon)。1950年生まれ。カラチ大卒。シンド州議会議員・議長、パキスタン政府国連大使などを歴任。
  • 財務・歳入・経済相、統計相、計画・開発・改革相、商業・繊維相、工業生産相:シャムシャード・アクタル(Shamshad Akhtar)。英ペイズリー大博士。元パキスタン国立銀行(SBP)総裁(2005~2009年)。
  • 内務相、麻薬取締相、州間調整相:ムハンマド・アザム・カーン(Muhammad Azam Khan)。英リンカーン法曹院卒。弁護士。カイバル・パクトゥンクワ州財務・計画・開発相などを歴任。
  • 情報・放送相:サイヤド・アリ・ザファール(Syed Ali Zafar)。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)卒。弁護士。元パキスタン最高裁弁護士会会長。
  • 教育・職業訓練相、厚生サービス規制調整相、宗教・信仰調整相:ムハンマド・ユースフ・シェイク(Muhammad Yusuf Shaikh)。パキスタン軍士官学校などの公立学校で教員、校長を歴任。
  • 人権相、カシミールおよびギルギット・バルティスタン相、国土・辺境地域相:ローシャン・クルシード・バルーチャ(Roshan Khursheed Bharucha)。バロチスタン大卒。バロチスタン州首席相、パキスタン上院議員などを歴任。

(野上活)

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