ロングビーチ港、トヨタの新施設のパブコメを募集

(米国)

ロサンゼルス発

2018年06月15日

カリフォルニア州ロングビーチ港は6月7日、トヨタ自動車の物流子会社トヨタロジスティクスサービスが提案する燃料電池発電施設と水素ステーション建設計画に対する調査結果の草案を公開した。1970年カリフォルニア環境品質法では、ロングビーチ港を含む公共機関に対して、港湾開発をする場合、その計画が環境に及ぼす影響があるかを調査するよう定めている。今回の草案では、この建設事業が環境に重大な影響を及ぼす実質的な証拠は見つからなかったとした。ロングビーチ港は、当該調査結果に対して、7月10日までパブリックコメントを募集する。

トヨタは4月、ロイヤル・ダッチ・シェルグループのエクイロエンタープライズとともに、燃料電池発電所と水素ステーションの建設を発表していた。新施設は港湾と倉庫間、もしくは配送センター間を走るトラックやトレーラーから出る二酸化炭素の削減を目的としたもの。カリフォルニア州エネルギー委員会から新施設建設に対して、800万ドルの補助金が暫定的に認められている。トヨタはロングビーチ港ターミナル内で完成車両貨物の引き揚げに使用している22万3,200平方フィート(2万736平方メートル)の敷地に2.3メガワット(MW)の新たな燃料電池発電施設を建設し、シェルは水素ステーションの建設とこれらのオペレーション業務を行う予定だ。

環境規制が厳しいカリフォルニア州内で、トヨタは水素トラックの実証実験を2017年から開始しており、本格的な水素のトラック実用化に向けて開発が進められていく。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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