北京市の2017年の年間平均賃金は前年比9.8%上昇

(中国)

北京発

2018年06月04日

北京市統計局の5月25日の発表によると、2017年の同市都市部の非私営企業(国有企業、株式会社、外資系企業など)の従業員の年間平均賃金(注)は13万1,700元(約223万8,900円、1元=約17円)で前年比9.8%(名目)の上昇となった。また、私営企業(個人経営企業、都市部)の従業員の年間平均賃金は7万738元で、7.4%の上昇となった。

私営企業の上昇率は7.4%に

業種別にみると、平均賃金が最も高かった3業種は、金融業(25万3,637元、北京の平均水準の1.93倍)、情報サービス・ソフトウエア業(18万3,183元、1.39倍)、衛生・社会保障・社会福祉業(16万9,191元、1.28倍)となった。いずれも第三次産業で、市政府の進める現代サービス業の振興に伴い、関連業種に従事する労働者の賃金も相応に上昇したことを示している。

同市統計局は賃金上昇の要因として、安定成長、良好な企業収益、関連政策による下支えなどを挙げた。安定成長については、北京市の2017年の域内総生産(GRP)は前年比6.7%増(実質)の2兆8,000億4,000万元となり、1人当たりGRPは2016年から2017年にかけて11万8,000元から12万9,000元に増加した点を指摘した。

良好な企業収益については、北京市の一定規模以上のサービス産業の利益が2017年に増加傾向を維持したこと、一定規模以上の工業企業の主業務の売上高営業利益率が9.8%となり前年に比べ1.7ポイント上昇したことを挙げた。

なお、北京市の最低賃金は2016年の時給10.86元、月収1,890元から、2017年は時給11.49元、月収2,000元に引き上げられた。同市統計局は、同市賃金ガイドラインで2017年の賃金上昇率の基準ラインを8.5%に定めたことが、低所得者の収入増につながったと評価した。さらに、企業の人材採用状況についての調査によると、企業は必要な人材を確保するため、賃金の引き上げや福利厚生の充実を図っているとした。

今後、これらの結果を踏まえ、2018年の同市賃金ガイドラインが策定・発表されるとみられる。

(注)平均賃金には、個人の賃金から控除される個人所得税、社会保険料と住宅積立金の個人負担分なども含まれている。

(趙薇)

(中国)

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