相次ぐ閣僚交代、工業生産省に鉱業部門を移管

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2018年06月19日

アルゼンチン政府は6月16日、フランシスコ・カブレラ工業生産相とフアン・ホセ・アラングーレン・エネルギー鉱業相の辞任を発表した。カブレラ氏の後任には地元有力コンサルタント会社の創設者で、エドゥアルド・ドゥアルデ政権時(2002~2003年)における工業商業鉱業長官だったダンテ・シカ氏、アラングーレン氏の後任にはハビエル・イグアセル運輸省国家道路局長を任命した。また、政府の所管について、工業生産省に鉱業部門を新たに加えることも発表され、今後はシカ氏が工業生産・鉱業相として、イグアセル氏がエネルギー相として担うことになる。

マウリシオ・マクリ大統領は6月17日に放映されたテレビ番組において閣僚交代に言及し、両大臣は素晴らしい仕事をしてきたが、マネジメントにおいて疲弊が起きてしまったと発言した。アラングーレン氏に対しては、補助金漬けだった公共料金の調整に向けて大変な仕事を担い解決の道筋をつけたことを評価し、前政権期には減産基調だった石油・ガスの生産を反転させたことを指摘した。シカ氏に対しては、これまでの取り組みからさらにパワーアップさせることへの期待を示している。

シカ氏は就任直後における現地メディアとのインタビューにおいて、現在不安定さを増している経済情勢について、政府としては通貨下落基調を止めることを最優先とし、次に物価の上昇を抑えるべきと発言し、適正な為替レートとしては1ドル=28ペソ台が産業界からしても望ましいとした。また、中期的には雇用の創出に向けた取り組みを行うことだと述べている。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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