第1四半期小売販売指数、前年同期比6.6%増

(ブラジル)

サンパウロ発

2018年05月18日

ブラジル地理統計院(IBGE)は5月11日、2018年第1四半期小売販売指数(自動車、建設資材を含む、注)について前年同期比6.6%増だったと発表した。

月別に増減率をみると3月は前年同月比7.8%と高い伸び率を記録した(添付資料の表参照)。同月にハイパー・スーパーマーケット、飲食料品、たばこの項目が12.3%増、その他日用品が13.8%増となっている。これは前年に4月末だった復活祭(イースター)の祝日が、2018年は3月末だったことが要因とされる。

なお、自動車、オートバイ、同部品の項目は第1四半期に17.9%増と全体の指数増加率の上昇に寄与している。一方、衣料品・靴(0.7%減)、家具・家電製品(3.3%減)、事務用機器、情報通信機器(7.6%減)とマイナス項目が増えた。IBGEでは正規雇用の回復が遅れていることを要因の1つとして指摘している。

指数ベースでは過去のピーク月より依然低水準

なお、指数ベースでみると小売販売(全体)は2018年3月に90.3と2012年8月に記録したピーク値(104.6)に比べて13.7%低い水準にある(添付資料の図参照)。項目別にそれぞれピークとの比較をみると、医療品・香水・化粧品が0.3%減(ピーク月:2017年12月)、ハイパー・スーパーマーケット、飲食料品、たばこが3.8%減(2013年12月)と比較的ピーク月に近いマイナスの一方、自動車、オートバイ、同部品が33.3%減(2012年6月)、新聞、雑誌、文房具が38.3%減(2013年9月)と依然としてピーク月と差がある。第1四半期に自動車、オートバイ、同部品の項目は高い増加率だったものの、依然としてピーク時と比べれば低い水準にあることが分かる。

(注)IBGEでは全国6,157の小売事業者に毎月アンケート調査を実施し小売販売指数を発表している。指数には自動車・同部品、建築資材の2項目を含む指数とそれらを含まない指数の2つあるが、本稿は当該国目を含む指数に基づき作成。指数の基準年(指数100)は2014年。

(二宮康史)

(ブラジル)

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